地獄加齢

日常に潜む「老い」の記録

老眼

40代半ばごろに老眼になった。

夜、寝る前に布団の中で読書する習慣があり(今はスマホ)、目の焦点が合わなくなって字が読めなくなった。

視力はずっと両眼1.5と良かったため「目がいい人は老眼になるのが早い」とは知っていたものの、この時点でまさか自分が老眼になるとは思っていなかったので何かの病気だと信じ切って慌てて眼医者に駆け込んだ。

「目がフォーカスできなくなってしまった!

 前は問題なく読めていた本が今は読めないの助けて!」

一般的な視力検査を終えてしばらく私の初診カルテを眺めていた眼科医が静かに机上の眼鏡を私の前に置き、「ちょっとこれをかけてみて」と言う。

「かけました!」

「じゃあこれ見てみて」

それはおそらく昭和の時代に発行されたポケットサイズの国語辞典。それはもちろん平成生まれは日常で見ることのないような極小サイズの文字列と行間…!

 

「あぁっ!くっきりと……見える!!」

「うん。地獄さんは老眼ですね…」

 

 

眼鏡屋でちょっといい老眼鏡を作るのもいいし、100均ショップで売っているような老眼鏡でも十分ですよと貧乏そうな患者にありがたいアドバイスをいただいたので、帰宅途中のセリアに寄って1.0〰1.5程度の老眼鏡を5個くらい買い込みましたとさ。

 

 

 

あれからウン年─

落としたり潰したり無くしたり、眼鏡をかけ慣れていないのと雑な性格が相乗効果を成していったいいくつの100均老眼鏡を成仏させただろうか。

老眼も確実に悪化していて、今では2.5とか3.0あたりを買っている。

あと、これはもしかしたら老眼ではないかもしれんがデスクトップの画面の文字がはっきり見えなくなってきた。PCワークを苦痛に感じるほどしょぼしょぼして文字がかすむ。なんだかなぁ。人はこうやってどんどん周りの物事が見づらく/見えなくなっていくのだろうか。